田川伸治、原点回帰の9thアルバム「シーミレ」(音楽用語で「同様に」という意味)

「心に沁みる」をテーマに掲げた渾身の作品。(ダジャレも含んでいます)

インストナンバー4曲を含めた全曲オリジナル。全13曲。

ジャケットイメージは『原点回帰。心機一転。真っ白な気持ちで』

裏ジャケットは黒バックにし、今作で比較的登場率が高い“ピアノ”を想起させるような意味合いも込めました。(アナザージャケット仕様)

全体を通じてバラードが多く、田川作品としては異例のバラード比率。

「9thアルバム」ということで「(田川伸治)歌唱曲も9曲」

サウンド面においては「可能な限り音数(おとかず)を減らし、登場楽器を明確にしつつ際立たせる」方向性に振り、

ギタリスト、ヴォーカリストとしてではなく「田川伸治をプロデュース」する“立ち位置”で取り組みました。

歌詞の面では「春分の日(3月21日)リリース」という事からも、“春”をテーマにした『蜜柑畑』『春になれば』『風を背に受けて』

広島の田舎で暮らす両親に宛てた手紙を曲にした『信書 -letter-(しんしょレター)』(『春になれば』も故郷を思いながら書きました)

恋人たちをテーマにした『あのね』『レイテンシー(遅延時間の意)』『メソポタメタポリア(呪文を表す田川的造語)』

田川伸治を応援してくださる全ての方々に向けた『あなたのために』

音楽家を志し、33年前に上京した頃を事細かに表現した『伊勢佐木長者町』『蜜柑畑』

それらがジャケットの《原点回帰、真っ白な気持ちで》に繋がっています。

01. 伊勢佐木長者町

02. あのね

03. 蜜柑畑

04. 信書 -letter-

05. Quartetto Flow

06. 春になれば

07. レイテンシー

08. Rocka Body

09. 風を背に受けて

10. メソポタメタポリア

11. Parisienne Walk

12. あなたのために

13. 伊勢佐木長者町 -instrumental-

4/28(金)

静岡公演@酒彩DININGアミー(※別途1ドリンク500円~)

第1部/開場15:30-開演16:00

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5868

第2部/開場18:00-開演18:30

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5869

4/29(土)

愛知公演@パラダイスカフェ21(※別途1ドリンク500円~)

第1部/開場14:30-開演15:00

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5870

第2部/開場17:00-開演17:30

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5871

5/3(水)

大阪公演@THIRD STONE fukushima(※別途1ドリンク600円)

第1部/開場14:30-開演15:00

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5872

第2部/開場17:00-開演17:30

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5873

5/5(金)

福岡公演@culture spot BAD KNee LAB.(※別途1ドリンク500円~)

第1部/開場14:30-開演15:00

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5940

第2部/開場17:00-開演17:30

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5946

5/6(土)

広島公演@SPIDER Live&Bar スパイダー(※別途1ドリンク500円)

第1部/開場14:30-開演15:00

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5947

第2部/ 開場17:00-開演17:30

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5948

5/13(土)

宮城公演@MusicSpace BARTAKE(※別途1ドリンク500円)

第1部/開場14:30-開演15:00

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5949

第2部/開場17:00-開演17:30

https://fanicon.net/tours/3531/1571/5950

5/21(日)

追加公演(東京)@BECKアキバ(※別途1ドリンク500円)

第1部/開場14:30-開演15:00

https://fanicon.net/tours/3531/1571/6471

第2部/開場17:00-開演17:30

https://fanicon.net/tours/3531/1571/6472

simile リリック&セルフライナーノーツ

01. 伊勢佐木長者町

伊勢佐木長者町の街路樹

酸いも甘いも噛み分けて

いつも見守ってる

隣町ではボールパークが賑わっている

ベイスターズの青いシャツを着て

桜木町 待ち合わせは “ぴあシティ”前

デートじゃない

リハーサルの30分前に

お迎えのリムジンが来て僕をさらって行く

向かうはいつもの伊勢佐木長者町

伊勢佐木長者町は今では

ヨコハマのディープ・カルチャー・ストリート

“イセザキモール”

実はそれほど詳しくないんだ

だって夜のリハスタへ行くだけ

それだけさ

横浜市中区不老町の一択

いずれにしてもインパクトのある名前に変わりないよ

元町ほどにポピュラーじゃないけど

行き先は決まって

伊勢佐木長者町

bossa novaが似合う鉄の橋碑(かねのはしひ)

大通り公園のタイル

チェス盤のよう

癒されます

伊勢佐木長者町は

関内と阪東橋の間にあります

覚えてて

やがて色とりどりの店の明かりが

みんなを出迎えてくれるんです

オアシスさ

桜木町 待ち合わせは “ぴあシティ”前

デートじゃない

リハーサルの30分前に

お迎えのリムジンが来て僕をさらって行く

向かうは今夜も伊勢佐木長者町で

音を奏でるラテンのリズム心地良く響く

あの頃思い出す

伊勢佐木長者町で

伊勢佐木長者町

伊勢佐木長者町で

僕が19〜21歳の頃、社会人の方々がメインの大所帯“ラテンファンクバンド”に在籍しておりまして(同い年のメンバーも居ました)、ほとんどのメンバーが横浜市民という事もあり、横浜を拠点に精力的に活動を展開していました。

リハーサルの場所はいつも決まって伊勢佐木長者町のスタジオ。時間はメンバーの皆さんの仕事終わりとなるので必然的に夜だったんですね。僕としても学校の授業がありましたから非常に好都合でもありました。

(余談ですが、21歳の時には“ギター講師”として母校へ通っておりました)

リハーサルの30分前にクルマで僕を拾ってからスタジオへ向かい、リハーサル終了時にはもう電車は走っていない事が多かったので、帰りは自宅付近までよく送って頂いたものです。

それを今曲では「リムジン」と呼んでいます。

『音を奏でるラテンのリズム心地良く響く』という描写は、まさにラテンバンドだった事もあり、ボサノヴァもよく演奏していました。

そしてそのバンドで僕が21歳の時に(田川曲で)メジャーデビューを果たしたのですが、その直後にプロデューサーの方が急逝されまして……

そこからは自然消滅のような形で各自の持ち場(職業)へ戻る事となりました。

今となってはいい思い出ですね。

02. あのね

そろそろいいかい?

君の笑い声聞きたくて

傍に居ても邪魔したりはしないから

気配消すから

編集作業を見ても

何してるか解らない…でもね

高度な技術だけはひと目で分かる

あのね

集中してるトコ…申し訳ないけど

ランチタイムが終わるその前に

たまには外でご飯食べよう

デリバリーばっかりじゃなく

『プラごみ削減』っていう名目にしておくつもり

手を引っ張り連れ出した

まだまだいいかい?

時間経つの早すぎるんですけど

つまり=『ドリンクバーもう一杯いく』ってコト

そしたらレシート持ってレジへ向かう君の背中を

慌てて追いかけるトイレにもまだ……

あのね

連れ出したのは僕

支払いは君なの?なんか変じゃない?

まあ良いか今日は

「たまにはゆっくり過ごそう」

なんて通じる相手ではない

身体の事もそうだけど

仕事と恋のバランスボールもっと上手く乗りたい

あのね

付き合った時から比べたら

かなり慣れたものの

慣れるのが正解…なの?

たまには外で息抜きしよう

PCもスマホも持たず

『ファッション重視』っていう名目にしておくつもり

小銭だけポケット

たまには外でご飯食べよう

デリバリーばっかりじゃなく

「今日は僕が支払う番」って伝え

いざレジでポケットの中身…小銭…

結局 支払いは君

この中で出てくる君(彼女)は、僕の性格やライフスタイルと酷似した人物だと思ってください。

彼女の職業はグラフィックデザイナー。仕事の大半は自宅。

その彼女の家に居候させてもらっている彼の心の声を歌にしてみました。

特に趣味は無く、仕事をしている時が人生で最も大切な時間である彼女。

基本、食事はデリバリー。カフェへ行く時も、レストランへ行く時もノート型パソコンorタブレット端末を持ち出す『仕事魔』(※ここはちょっとキャラを誇張しています…)

そういう所が好きは好きなんだけど、たまには…ねぇ……という心情をコミカルに描いてみました。

サウンド面においては、この“スティーリー・ダン”っぽいソリッド感が個人的にたまらなく好きで、ギターソロもこれまでの音楽人生で最もお気に入りのサウンド&フレージングだと感じています。

03. 蜜柑畑

この町で一番の破格値のアパートへ

僕は夢を追って来た10代最後の春

この町で一番の高台へ登る坂

いつも自転車降りて押して帰る日々だった

隣の部屋にはいつも彼女が来てて

それをかき消すようにギターを鳴らした

下り坂はいつもペダル漕がないで行けた

蜜柑畑の側にある狭い一本道

もう戻らない 引き返さない

択んだ道だから

風呂屋に行く時には洗濯物も持って

先に放り込んで200円入れて隣へ向かう

回数券渡して急いで風呂済ませて戻る

張り付いた下着とTシャツを桶に仕舞う

僅か5分で汗だくになって押す

自転車のベル揺らしカップル追い抜いた

学校へはいつもペダル漕がないで着いた

蜜柑畑の側にある土の一本道

いつもと同じ練習部屋で

腕を磨いてた

下り坂はいつもペダル漕がず通り抜けた

蜜柑畑の側にある土の一本道

振り返る暇もない二十歳

怖がらずに駆け抜けた

蜜柑畑の側にある狭き一本道

今は街が一望できる

噴水のある公園

横浜にある音楽の専門学校を受験した際に即『合格内定』を頂きまして、その足で近くの不動産屋さんに立ち寄り『この街で一番安い物件を紹介して頂きたいのですが』と尋ねて即決したのが『この街で一番の高台にある〇〇荘』でした。

家賃は19,000円、風呂無し、給湯器無し、トイレは共同(和式1つのみ)で汲み取り式、部屋は砂壁ひと間の4畳でした。

日々の大半は専門学校の施設内で過ごしていたので、居住環境なんてどうでも良かったんですね。

それでもさすがに寝るのとお風呂、そして洗濯するために毎日帰宅はするのですが、学校が閉館時間となるとまず立ち寄るのが銭湯。

この銭湯にはコインランドリーが併設されており、先に洗濯物を放り込んでから銭湯へ向かい、回数券を渡し、急いでお風呂を済ませてコインランドリーへ戻るというルーティン。

そこから急勾配の坂を自転車を押して帰宅するのですが、家に着く頃には冬でも汗だくでした。

そんな中で唯一お気に入りの時間があって、朝、学校へ向かう際に通る、蜜柑畑の側にある“けもの道”のような土の一本道を自転車で下る瞬間でした。

04. 信書 -letter-

星空を見上げ 思い巡らせ

今日はどう過ごしていたのかな

都会の空は曇りガラスみたいに

先が見えにくいんです

春になって 雪が溶けて

ムスカリの香りがした

どうか元気でありますように

胸は苦しくありませんか?

元気ですか? 祈ってる

電話越しで 涙堪えてるよ  

いつも気掛かりです

昔おばあちゃんが別れ際に

涙こぼしてた いつの時も

今になって それ思い出して

胸が張り裂ける思いです

外へ出て歩いてますか?

草花枯らしてないかな

どうか元気でありますように

膝が痛くはありませんか?

元気ですか? 祈ってる

電話越しで 涙拭ってるよ

いつも遠くで願う

雨が降ったら 心ざわめき

風が吹いた時も

窓は閉めた? 鍵は掛けたかな

人混みが怖いって言ってたね

道の窪みにつまずいて

転んだりはしていませんか?

元気ですか? 祈ってる

鏡を見たくないと言ってたね

どうか元気でありますように

喉は苦しくありませんか?

元気ですか? 祈ってる

電話越しで 涙拭ってるよ

いつも遠くで願う

時は過ぎ行く…

今作で最初に手掛けたのがこの曲です。昨年(22年)の6月頃だったでしょうか。

いま振り返れば、この歌詞の世界観がほかの曲へもたらしたものは大きかったと感じています。

全体を通じて“懐古系”が多いのはそのためです。

2番の“祖母”に関する歌詞ですが、実家で何泊かしたあと、父の運転する車で(助手席には母)広島駅まで送ってもらう際に祖母が玄関先で泣きながら見送ってくれた光景を今でも鮮明に覚えています。

後部座席からずっと手を振る僕。徐々に小さくなる祖母。最後にはまるで今生の別れのように泣き崩れてひざまずく姿が今でも忘れられません。

もっといっぱいしてあげられることがあったなという思いを、当時の祖母と同じくらいの年齢に差し掛かった両親に向けた手紙(信書)として歌にしました。

05. Quartetto Flow

実は今作で一番の自信作です。(ギターは入っておりませんが…)

1stヴァイオリン、2ndヴァイオリン、ヴィオラ、そしてチェロの四重奏、つまりカルテット・フロウ。

+グランドピアノという編成でチェロをフィーチャー。

今作の『沁みる3曲セクション(“蜜柑畑”“信書 -letter-”から“春になれば”)』の間を取り持つ楽曲としてこの曲をインサートしました。

06. 春になれば

雪が積る頃に思い出す

悴む(かじかむ)手を見つめながら

今年は去年より寒い日が

多い様に思えます

屋根の先は何本もの

氷柱(つらら)の先まで凍り

あゝ 春になれば桑の芽が

明るい外へ伸びて来る

温かい窓辺 雲雀(ひばり)たちが

嬉しそに声を上げている

夏が終わる頃に思い出す

母が買ってくれた上着

勿体無くてたまにしか着ない

それでもボタン二度直した

あっという間に秋は過ぎて

稲穂刈った風景も

あゝ 冬になれば一面に

静まり返るほどの雪

畑の様子 見に行く父

長靴履いて手袋して

あゝ いつになれば帰れるの

諦めた事あったけど

あゝ 春になれば想い馳せ

あちらの雪は溶けたかな

季節の変わり目お気をつけて

おぼろ雲越しに見える月

田川作品としては極めて珍しい三拍子(ワルツ)曲。

(フレットを傷めるのであまり好んで使うことのない)カポタストを着けたアコギを通常のアコギの音とブレンドさせて、“イーグルス”や“サイモン&ガーファンクル”のようなテイストを目指しました。

歌詞の面では『いつか日本の四季を描いた曲を書きたい』と思っていまして、僕が中学校の3年間を過ごした広島の実家がある田舎の春夏秋冬を思い出しながら、そして両親に思いを馳せながら描きました。

気候的には甲信越地方のような感じと思って頂けたらと思います。

今でも大切にしている『(おそらく20年くらい前に)母が買ってくれた上着』。三度目にボタンを直したタイミングで披露したいと思います。(笑)

07. レイテンシー

いつもすれ違って

リアルタイムじゃなくて

後になって知る

その時じゃなくちゃ

意味がないわけで

「もういい。」って返す

僅かな時間差で冷めることもある

深い意味が無くたって聞いて欲しいのに

忙しいのは分かってるつもりでいても

いつまでなのか明日までなのか分からない

土曜日は立て込んでいて

日曜日は疲れてて

いつなら会える?来年なのかな?

やっと会えたのに

ハナシ聞いてなくて

疲れた顔して

それでも笑顔で幸せな感じで

手を繋いでるけど

分かって欲しくてもどかしくもある

だけど壊れてしまっちゃ元も子もないよね…

「我慢してまで続ける意味はあるのかな」✉️→

「それくらいなら悩みと言わないよ」✉️←My friend

土曜日は雨…でも会いたい

日曜日まで一緒に

いつまで居れる?終電までかな?

僅かな時間差で冷めることもある

深い意味が無くたって聞いて欲しいのに (Lonely heart)

忙しいのは分かってるつもりでいるよ

自分だってさ暇なわけじゃないよ 別に

何してるか知って欲しくて

同じことで笑って

いつなら会える?週末はどう?来週は?

付き合ってからの1周年

忘れてないよね?

今作は歌謡曲調な楽曲が大半を占めた形となりましたが、皆さまご存じの通り、こういったストップ&ゴーな曲調も大好物でして…『1曲くらいは』という事で収録させて頂きました。(笑)

今曲のテーマはズバリ『LINEの弊害』です。僕は(スマホ利用者のほとんどが利用していると思われる)この“LINE”というツールが大の苦手でして…

「スマホを持っていない」という事にももの凄く驚かれるのですが、「LINEをやっていない」という事も同様に驚かれます。

それくらい我々の生活には欠かせないツールと言い表す事が出来るかと思うのですが、そのトレードオフとして『既読が付かない事でイライラする』という意味不明なストレスを抱える事になるばかりか、(特に若者にとっては)正しく美しい文面を書く能力の発達を阻害する恐れすらあるように思えるのです。

「打った文面を自身で読み返す」あるいは「送られたメッセージの真意を読み解く」作業をスルーして、その時思った事を即送信……

要するに「相手の気持ちに立って文章を構成する」というコミュニケーションの根源が薄れて行き『一を聞いて十を知る』どころか『十を聞かなければ十を知れない』体質に変化させるツール。極端に言えばそんな風に僕には思えるのです。

それを風刺的に描いた楽曲が“レイテンシー”です。

08. Rocka Body

『トイレ🚻はずかしくないよ』でも登場させた、ロカビリー(Rockabilly)テイストのインタールード。(Interlude/間奏曲)

今曲の方が比較的カントリー感が強いですね。

曲名に関してはすでにお気づきかと思いますが、Rockabillyをモジったもの。(ロカバディもしくはロッカバディ)

中盤以降でややトリッキーなフレーズが登場するところが田川らしいかなと思っています。

ベースプレイ(スラップするあたり)が個人的にお気に入りです。

ちなみに今作において生でベースを弾いているのは、この曲のほかに“蜜柑畑” “信書 -letter-” “春になれば”となります。

09. 風を背に受けて

春の風 背に受けて

若葉芽吹く並木道

真っ直ぐに進んでく

新しい一歩を

踏み出したなら後ろ振り返らず

一度ポケットに不安 迷い 仕舞い込んで行こう

期待以上 それ以上を成し遂げようとせず

君の手の中にある精一杯を出せば

みんなが君を見守っているよ きっと

夏の雨 アスファルト冷やす匂いの中で

雨宿りして行こう

息抜きも忘れずに

都会の朝はちょっぴり苦手だけど

たまには窓の外眺めて気持ち切り替えよう

動き出す これまでに積み重ねたものが

無駄じゃなかった証さ

今を越えて行こう

明日の君へバトン手渡すため Fly away 

期待以上 それ以上を見せ付けようとせず

君の手の中にある精一杯を出せば

動き出す これまでに積み重ねたものが

進んでく これからも自分を信じて

みんなが君を見守っているよ ずっと

風を背に受けて

イントロ4小節のモチーフをsimile(=以後、同様にプレイ)して最後の音の切れ際まで徹底する『シーミレソング』(※田川的造語)

今作のタイトルを『simile』と決定する上で、この曲の存在(曲構成)は大きかったと思います。

加えて『これまでと同様、春にリリースする』という意味も込められています。

個人的にシーミレソングと言いますか、リフをひたすら繰り返し、上物(ウワモノ)だけが変化してゆく楽曲スタイルが好みという事もあり…でもそういった作風のモノばかりには出来ないと考え(笑)、かなり控えめにこの曲のみ「シーミレ構成」としました。

歌詞の世界観は、上京してきた当時の自分自身の心境と重ね合わせながら「この春に新たな環境で頑張る若者の背中を押してあげられるようなメッセージソングを」との思いで描きました。

10. メソポタメタポリア

メソメソしてても始まらない

でも涙がポタポタ落ちて止まらない

あなたと過ごしたこの部屋で

残された記憶だけ

ふわり ゆらり 煌めいてた

始まりは“友達の友達”くらいの関係性だった

特別な感情は“まだ”どころか 何も抱いてはいなかった

お互い

話しをするようになって

笑いのツボが重なって

惹かれてく この恋が 蕾を付け 花になった

トキメキしか無かったあの頃

ドキドキしながら待ち合わせしてたよね

互いの写真撮りまくってたり

信じてた この恋が 永久に続くものなんだって

ちょっとした幸せが “幸せ”だと感じられなくなって

どうしても譲れない これだけは譲れないものが増えていった

お互い

話しをすれば絡まって

些細な事でぶつかって

冷えてゆく この思い 打ち水の路面のように

ワクワクしか無かったあの頃

ドキドキしながら手を繋ぎ歩いたね

いつしか衝突が増えてって

凹む時 戸惑う時 揺れる心鎮める呪文

『メソポタメタポリア』

『メソポタメタポリア』

初めから紐解けば “一目惚れ”という訳ではなかった

特別な感情は“まだ”どころか 何も抱いてはいなかった

お互い

心の隙間埋めたくて

燃えるような恋がしたくて

知らず知らず 無理してた 自分自身を騙してた

トキメキしか無かったあの頃

ドキドキしながら待ち合わせしてたよね

互いの写真送り合ってたり

気付いたよ この恋に 呪文が必要だったって

メソメソしてても始まらない

でも涙がポタポタ落ちて止まらない

あなたと過ごしたこの時間(とき)と

残された記憶ごと消せる呪文唱えよう

『メソポタメタポリア』

※メソポタメタポリア(呪文を表す田川的造語)

誰しも心に残ったままの「過去の苦い思い出」というのがあるものです。

「ふと目にした場面がキッカケとなりその事を思い出す」ということはありませんか?

今曲では恋愛・失恋にフォーカスし「その苦難を乗り越えるため」「その思い出を消し去るため」に唱える呪文として『メソポタメタポリア』というワードを考案。

3サビは“自己暗示”、4サビは“部分的記憶消失”のために用いる呪文として描きました。

今作『simile』は全て曲先行型で制作を進めたのですが、この『メソポタメタポリア』の締めのメロディ『ミミミファミレドシラ』から受けた“音感が生んだ言葉”と言えるかもしれません。

曲先ならではの醍醐味が詰まった曲ですね。

11. Parisienne Walk

“メソポタメタポリア”から“あなたのために”に直接繋がるよりも、この両曲の温度差を埋めるために何か良いインタールードは無いかと考えた中で、そのどちら側でもないJazzテイストな楽曲をインサートする事で中和を試みてみました。

曲名に深い意味はありませんが、コース料理の合間に飲むルイボスティーのような感じとして受け止めて頂けたらと思います。

夜帯の番組のジングルとして使って欲しい一曲です♪

12. あなたのために

砂時計のように 命は

残り僅かになると加速する

僕が生まれた場所

今 生きている場所

まるで違う世界

でも生き続けてる

迷った時 目を閉じれば

幼い頃の光景が

鮮明にまぶたの裏側

映って 深く息をする

あなたのために今

僕は生き続ける

あなたと繋いだ手の温もりはまだ

今も残ってる

階段上る時 数を数える

歳の数だけ上って振り返る

今 僕がいる場所

それが命の場所

随分高いトコで

暮らしているんだな

人それぞれ違う道を

歩みながら 一つの場所へ向かう

立ち止まっても

時間は止まってくれない

あなたのために今

僕は生き続ける

あなたと交わした言葉の欠片はまだ

今も残ってる

僕が生まれた場所

いつかは帰る場所

自分のために生きる事は

あまり無いけど

あなたのために今

僕は生き続ける

あなたのために出来ること

残さずに全てやり切るよ

僕は階段を登るとき無意識に段数を数えてしまう癖がありまして…

日頃よく利用する階段の段数はだいたい頭に入っています。笑

その中で『エレベーターの隣にエスカレーター、その隣に階段』というレイアウトの、敷地の広いビルがあるんです。

その階段の段数は57。そこまで上りきった後に振り返った時の景色がお気に入りで…

と同時に、この歌詞を書く以前の情報として僕の頭の中に『日本国内最高齢の方が114歳』というのがあって(実際には115歳、もうすぐ116歳)

つまり【57歳が人生の折り返し地点】と言い換えることができるなと日々思っていまして。

今の僕がいる場所(高さ、眺め)が命の場所であり『随分高いトコで暮らしているんだな』という2番の歌詞に繋がっています。

13. 伊勢佐木長者町 -instrumental-

前作にて“与作”をカヴァーしようと思ったきっかけが『とあるカフェで流れていたボサノヴァ曲に乗せて“与作”のメロディを口ずさむことができた』でした。

その流れで『じゃあ今作では僕が“カフェで流れる風のボサノヴァ”を奏でてみよう』と思い楽曲制作に取り組みました。

ボサノヴァは元々『サンバを自宅で小音量で楽しむ』ために考案された演奏形態だそうで、今曲の登場楽器はボンゴとガットギター(クラシックギター)のみ。

カフェタイムのお供にどうぞこの曲を♪

【田川伸治プロフィール】

1970年4月18日生まれ。広島県出身。血液型O型。

高校卒業後、音楽家を目指し単身上京する。

ギター講師とスタジオミュージシャンを務める中、1994年に「DEEN」へ2代目ギタリストとして加入し、2018年までの24年間在籍後、脱退。

その後の4年間で5枚のフルアルバムをリリースし、今年も“同様に”アルバム『simile(シーミレ)』を3月21日(春分の日)に発表。

この「シーミレ」を引っ提げ、4月15日“東京公演”を皮切りに神奈川、静岡、愛知、大阪、福岡、広島、宮城の8都府県を巡る「初の単身ツアー」を行う。

※詳しい情報は田川伸治のSNSで。

Twitter

https://mobile.twitter.com/shinji_tagawa

Instagram

https://www.instagram.com/tagawashinji_musicmaker/

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